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高卒に負けるな

 何ひとついいことがない。時間的にも精神的にも金銭的にもすべてにわたって余裕なく、唯一の楽しみは野球くらいだろうか。しかし、土壇場でカープは失速し結局3位。CSには出場するけれど、勝ち抜けそうな雰囲気はない。ペナント終盤は菊池の安打数だけを楽しみに中継を見てたけど、チームはいいところがなくストレスを貯めるだけ。東都大学秋季リーグでは、亜大の優勝の可能性がほぼなくなる。優勝すれば7連覇だったが、そもそも戦国東都で同じチームが6連覇すること自体がありえないこと。この秋は恐らく駒大が優勝するだろうけど、群雄割拠こそ東都の魅力である。亜大も7連覇よりは最下位回避を目標にしていたと思う。東都の場合、どんなことをしてでも最下位にはなるな、そういう野球になりがちだ。拓大対国学院戦、是が非でも勝ち点2を取りたい拓大はエース佃の先発3連投というとんでもない起用で勝負を掛けた。さすが、亜大黄金期を築いた内田監督、鬼采配としかいいようがない。東都1部はとにかく「勝ち点2」をどうやってとるか、それにつきる。特に、2部の試合を神宮第二ですらやらなくなった今、「天国と地獄」より距離があるような気もする。観客にとっては(3戦目にもつれこんだ場合は神宮開催があるけれども)。

 

 ネットニュースではGG佐藤がサラリーマンに転身したと報じている。西武を戦力外になってからはイタリアでプレーをするなど現役にこだわり続けたGG佐藤も、もう野球はいいや、という境地になったのだろうか。スーツ姿は体格がいいのでとても似合っている。それにしても、だ。法政はどうしちゃったのだろう、GG佐藤のサラリーマン姿の写真を見ながらついでのようにそんな疑問が湧いてくる。東大の連敗ばかりが話題になる六大学野球だが、この秋、法大も東大同様、勝ち点どころか1勝もしてないのだ。東大が勝てそうな相手、それは法大だけである。立教は2年生エース澤田の活躍もあり、今のところ首位。立教が久しぶりに優勝するのか、法大が東大にすら勝てず最下位に沈むのか。毎年のように多くの甲子園及び高校野球のスターが入学してくる法政ではあるが、ここ数年殆どプロ野球選手を輩出していない。いや、たまにプロ入りはしているが目立った活躍をしてない。ベテランの大引は別格として、カープの広瀬も殆ど二軍暮らし、上で活躍したのはENEOS経由でDNA入りした三上くらいではないだろうか。同じくDNAには三嶋と加賀美という法大でエースを張ったふたりがいるが、今年はふたりとも活躍していない。ヤクルトのルーキー西浦も怪我があったとはいえ全く活躍できないまま終り、来季だって山田や川端、森岡、谷内といった面々とレギュラーを争わないといけない。法政大学の地盤沈下を敢えて話題にしているのは、小久保監督率いる代表メンバーを見たせいもある。ついに、六大学出身者は0になった。今回選出された28人中、高卒は13人、大卒は8人、残りは社会人経由。大学野球出身者を見ても菊池や柳田、則本など地方リーグでプレーしていた選手が目立つ。それ以外でも、井納の上武大、小川の創価大、松葉の関西国際大など、「神宮」常連校とはいえ六大や東都ではない。東都ですらふたりしかいない。こうなってくると、高校野球部の監督は、本気でプロを目指す生徒の進路をどうすべきか、悩むところだ。プロに行かなかった場合のことも考えて、やはり六大学か。野球漬けの厳しい環境を選ばせるか(その代表格が亜大だろう)。最も六大学や東都のセレクションに合格することが前提だけれども。菊池のインタビュー記事を読んでいたら大学時代はパチンコ屋でバイトしていたという。それで日本代表合宿に2回も選ばれたのだから、とんでもないポテンシャルだったのだろうが、そういった自由な環境への向き不向きもあるだろうし。履正社の山田、明豊の今宮、帝京の中村、皆高校野球のスターであるとしても、高卒でプロ入りしたのは正解だったと云える。特に帝京の中村などは高校時代のポジションはファースト。よくぞ外野で花開いてくれたと本当に嬉しい。DNAの大量戦力外通告が波紋を呼んでいるが、特に高卒ドラ13年目解雇には驚く。北方のように佐賀の公立校出身者では、就職の面倒を誰かみてくれるのだろうかと老婆心を催す。もちろんトライアウトで他球団が拾ってくれればベストだが。高校時代の監督だって、「大学か社会人に行かせるべきだった」と悔やんでるのでは?甲子園で150キロ出したエースのこと、大学だったら九州に限らず関西や関東の名門に進めたはず(勿論進学したとしても開花できなかった可能性はある)。ソフトバンクを解雇された近田はいま社会人野球で頑張ってる。そういった選択肢もあるだろうが、それは本当にレアケースである。恩師なり、スカウトなりの尽力がなければまず無理だ。そう考えると、東京六大学野球リーグからプロ入りする(或はプロで活躍する)選手が育たなくなった理由(のひとつ)は、プロ野球以外の就職先の選択肢が豊富なせいもあるかもしれない(いまに始まったことではないのだが)。昨日だったか、ENEOSの池辺が引退したというニュースがネットで流れた。卒業後、「上」でなかなか活躍できない智弁和歌山出身であり、かつ大学で殆どの選手が「野球」も卒業してしまう慶大出身者でありながら、10年間ひとつのチームの中心選手として頑張った池辺は素晴らしい。あの、池辺と同期である智弁和歌山史上最強チームのキャプテン堤野は、池辺と共に慶應に進み、卒業後電通に就職した。大学野球というのは自分の力量や熱量を知る場所でもあるのだろう。

 もうそろそろ、神宮は夕方になるととても冷え込んでくる。太陽が球場の向こう側に沈むと途端に風が冷たくなってくるのだ。サラリーマン時代、最も好きな「時間」だった。プロ野球の開催もなくなった神宮で、土日の華やかな六大学は別として、平日の東都の2試合目が終る頃、グラウンドは随分暗くなる。そこで、4年生たちが最後の「野球」をやっている姿はときとして胸を打つ。東都1部でも最近の潮流に鑑みて「従来通り平日開催でいいのか」という話し合いがもたれているらしいが、一ファンとして、やはり東都1部は平日の神宮でのんびりじっくり見たいぞ、と思ってしまう。願わくば、地方の大学リーグ(関甲新や首都大学ではなく)も観に行って、そこで「菊池」や「柳田」のような選手を見つけてみたい。前職の頃からのしつこい「ゆめ」だ。やっぱり「スカウト」って羨ましい…。

at 16:57, 古書赤いドリル, -

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