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私小説

 日曜日、もはやライフワークと化しつつある、横浜のお客さんの書庫の整理。前夜、遊古会が終ったあと、ちょっと売れたものだから浮かれて呑み過ぎた。自分の浅薄さを反省する。そんな身分じゃない。おかげでタクシー代浪費。山手通り沿いのラーメン屋で深夜のひとりラーメン代浪費。ソファで2時間仮眠。睡眠時間浪費。今回は搬入前から仮眠徹夜仮眠と準備に追われた。なので、日曜日の朝はちょっと辛かったが、下北沢に向って遊歩道を歩き出せば目が覚めた。いつの間にか櫻が満開、ほぼ。




 櫻ってどうしてこんなにテンションがあがるのだろう?若いときは宴会しながらの花見も楽しかったが、いまはなんとなく眺めるくらいの花見がちょうどいい。気もする。

 

 そういえば会場にて飛鳥山の櫻の絵葉書が売れた。そこには桃色が鮮やかな櫻と、さらには浮かれて仮装行列する民衆も描かれていた。隣町赤羽の馬鹿まつりを連想させた。飛鳥山の櫻まつりは戦前から大変な盛り上がりだったことがわかる。今も凄い人出だけど。『山田孝之の東京都北区赤羽』が終った。山田孝之がどうやって赤羽を去るのか気になっていたが、感傷的な場面なくさらりとそれは締めくくられた。ラストの屋上からの青空に浮かぶ雲で充分グッときた。劇中劇の「桃太郎」はシンプルな暗喩劇ではあったが、『己斬り』という劇中映画ではじまったこのドラマに相応しい最終回とも思える。終ってみれば実にしっかりとした「ドラマ」だった。ドキュメンタリータッチの。15歳から俳優を続けてきた30歳過ぎの若者がふと立ち止まって異界赤羽でちょっと変わった「バカンス」を過ごす、そんな「ひと夏」を描いた「私小説」。『己斬り』というタイトルはつまり「自殺」のことである。何らかの理由で「自殺」寸前に追い込まれたひとりの俳優が「赤羽」という異空間で自然体で生きる怪しくも愉快な人たちと出会うことによって、「表現する」ことの楽しさを裡に甦らせ、そしてふたたび「役者」として再生の途を歩みはじめる…。よくぞテレビという枠組みでこんな連ドラが実現したものだ、あらためて驚愕。原作者の清野さんは大卒いきなり職業漫画家で少し山田孝之と似た境遇、『東京都〜』はそんな清野さんと山田孝之が共振して生まれた奇蹟的に完璧な「〈私〉ドラマ」…、言い過ぎ?「私小説」ならぬ「私ドラマ」、これから来るんじゃないでしょうか。しかし、やっぱりジョージさんが「狂言回し」だったか。「桃太郎」におけるジョージさんの演技が上手過ぎて確信。それもひっくるめて、完全に「やられました」…。楽しみが、ひとつ減った。

at 05:27, 古書赤いドリル, -

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