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この國

 先日落札した写真帖のなかにいくつか「兵隊さん」宛の手紙が入っていた。この「兵隊さん」は誰かから送られて来た手紙を写真帖に挟んで大事に保管していた。写真帖は売ってしまい既にないが、手紙だけ手元にのこした。とてもかわいい便箋に認められた正直な文章が可笑しい。「まだ一度もお会いしたこともない全然存じ上げない兵隊さんにお便りを書くことは率直に申し上げますと非常に私の様な者に取りましてはむづかしいです」と冒頭にいきなり…。この手紙を受け取る兵隊さんはどんな人かしら?という妄想がつづき、どうやら子犬のマスコットを同封したらしくそれを「私の代わりに可愛がってください」なんて書いてある。更に、同封した日の丸の旗を「一番のり」の際に掲げよ、ともリクエストしている。最後に「私共のかわりにお皇の為に戦って下さることを祈ります」と締めくくられる。こういった手紙が銃後を守る女子供から戦場に向けて無数に送られたのだろう。戦場で命を削る無名の「兵隊さん」に向けてとりあえずなんか励ましの手紙を書け、という命令がこの國らしい。












サヨナラ。
 

at 05:06, 古書赤いドリル, -

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