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内乱

 金曜日、石神井書林さんと月の輪書林さんと早稲田大学大隈講堂へ。只今演劇博物館で開催中の「あゝ新宿―スペクタクルとしての都市」展の関連イベント「新宿1968-69 ドキュメンタリー/ハプニング/ジャズ」を観に。山下洋輔の『DANCING古事記』のプチ再現に期待が高まる。田原総一朗の当時のドキュメンタリーは数年前にテレビ東京で放映していたしDVDにもなっていたので代表作はあらかた観ていたが、「新宿らいぱっぱ」(?)と「木島則夫ハプニングショー」はもちろん未見。画像の粗さに比して音質は妙にクリアで高音が耳に痛い。この当時のドキュメンタリーを観る時にいつも思う、「何でみんなおんなじ喋り方をするの?」。新宿は面白い町だったのだろうがそこに行き交う人たちすべてが個性的で面白かったわけではない。「新宿らいぱっぱ」には「アリババ」が出ていた。新宿三大フーテンにも数えられない地味なフーテンである。髪型もふつうでプチブルな雰囲気が滲み出ている。藤田敏八の『野良猫ロック 暴力集団’71』は新宿のフーテンたちが主役だ。開発中の新宿西口をねぐらにする原田芳雄たち。「らいぱっぱ」でも西口の建設ラッシュの高層ビル街で遊ぶフーテンたちの姿がある。もう少し「町並」が観たいのにと、もう少し俯瞰して欲しいのにと、いつも(この手の映像を観ていると)ストレスが溜まる。田原総一朗のドキュメンタリーは大抵そんなに面白くないのだが、目の付け所が凄い。デビュー前の三上寛を撮ったり。何より人が面白い。第二部は山下洋輔の演奏で開幕。これが素晴らしくて息を呑む。シルエットは「老体」風なのに指先は現役バリバリで悪魔的に「速」くて「自由」だ。かっこいい。トークでも山下洋輔の語り口が心地よく、かっこいい「大人」だなーと惚れ惚れした。宮沢章夫の話をもっと聞きたかったけど、予想通りトークショーは田原節全開だった。面白かったから全然OKなのだが。終盤トークショーは何故か政権批判のノリになる。会場全体が護憲集会みたいなノリになり妙な一体感が生まれていたのがいちばん面白かった。たぶん千人を超す超満員の大隈講堂が「反安倍」で心一つに。不思議である。世の中の趨勢は安倍の圧勝なのに、ここにいる人たちは100%「安倍」不支持だ。石神井さんにその疑問をぶつけると「そりゃそうだよ。1968年69年の叛乱をテーマにしたイベントに来る様な人たちなんだから」。アメリカでは黒人がまたしても白人警官に射殺され、「報復」とばかりに警官5人の射殺事件が起きている。アメリカで内乱の予感である。この國も安倍支持か不支持かで「戦争」勃発?  

 

 

 ぼくは高校時代、山川出版の日本史の教科書よりもPARCO出版の『唐組 状況劇場全記録』を繰り返し読んでいた。1969年1月、花園神社を追われた紅テントは新宿西口広場で都の職員や機動隊に包囲されながら芝居を強行する。陽動作戦で敵を攪乱してテントを一気にたてたのだ。そんな歴史に興奮した。「やがて新宿ハラになる」と新宿を捨てた唐十郎と状況劇場。その頃の「由井正雪」に扮した唐十郎が今回の企画展のポスターにアイコンとして登場していて、これが素晴らしくかっこいい。石神井さんは笑う「自分たち(新宿区)が追い出した唐十郎も、いまや古きよき新宿を語る上で欠かせない宝みたいなもんでさ」。後援は新宿区だった。

at 08:56, 古書赤いドリル, -

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